肩こりと偏頭痛の関係について
偏頭痛とは頭痛のうち頭の片側にだけ起こる症状のことをいいます。
この頭痛は片側のこめかみ部分に発作的に脈打つような痛みを生じるのが特徴で、痛みの強さには個人差があるものの症状が慢性化しやすく、慢性化すると肩こりや首の張りといった症状があらわれやすくなるほか、症状が重い場合には光や音といった外部の刺激に対して過敏になったり、頻繁に吐き気を催すようになることが分かっています。
偏頭痛の原因や発症のメカニズムについてはまだ完全に解明されておらず、現在も研究が進められている段階ですが、現在有力となっている説では、偏頭痛には人間の頭部から肩にかけて広がる三叉神経と呼ばれる神経が大きく関係していると考えられています。
三叉神経は人間の脳を覆う硬膜と呼ばれる部分の表面から首や肩の周辺の筋肉にかけて張り巡らされていますが、この神経は硬膜の表面にある末端部分から痛みのもととなる物質を放出する特性があり、この物質が血管の周囲に炎症を発生させ、それによって血管が拡張されることでこめかみ部分に痛みが発生するといわれています。
また、偏頭痛が肩こりや肩こりを伴うのも同様にこの三叉神経のメカニズムが原因であると考えられています。
こうしたメカニズムから、偏頭痛の症状を緩和するためには頭部から首・肩にかけての血管の拡張を抑えるのが有効であることが分かっており、例えば氷嚢や冷やしたタオルなどで患部を冷却したり、脳の血管を収縮させる作用があるカフェインを摂取するといった対処法が効果的です。